剪定を終えたあと、ケアを怠ると切り口の再生は遅れ、最悪の場合は幹が腐敗します。つまり剪定後の切り口のケアは、樹木の健康と景観を保つために必至といえます。
切り口の処理の重要性を確認したところで、実際にどう処理やケアを行えば良いのかを把握しましょう。

目次

切った直後の切り口の処理

剪定直後の切り口は、人間でいうなら血が出ている状態です。 つまり、雑菌が入りやすい状態といえます。 一般的にこの状態の切り口の処理には、癒合剤と呼ばれるコーティング剤に似た薬品を塗布します。 切り口がコーティングされることによって、乾燥や雨風による傷を防止しつつ、雑菌による切り口の状態悪化を防ぐことができます。

接着剤や墨汁を使って、同様の効果を発揮させようとする試みが数多く見受けられますが、それらはあくまでも別の用途に開発されたものです。 殺菌剤が含まれていないなど、機能面で癒合剤に届かない部分も多く、墨汁に至っては効果がないと証明されています。 あくまでも代用品と考えましょう。

癒合剤はそれほど高価なものではないので、癒合剤を素直に買うことをおすすめします。

癒合剤を塗ったあとの樹木の、周辺環境の調整

切った直後の切り口の処理方法を説明してきましたが、ここからは処理後の切り口を迅速に再生させる方法をご紹介します。

その方法の筆頭が場所の変更です。 つまり日当たりが良い場所に移すという方法です。 癒合剤を塗ったあとは、切り口の再生をより促すために日光がよく当たる場所に移動させましょう。 そうすることで、より植物の成長を促すことができ、切り口の再生を促進させることが可能になります。

なお、この切り口の再生を促進させる方法は、あくまで樹木のより徹底した栄養管理を促すためのものです。従って、できることならば、この方法は切り口ができたときに限らず、常に実践するのが適切であるといえるでしょう。

癒合剤を塗ったあとの樹木への水のやり方

樹木に対する水やりのポイントは、水をあげすぎないように注意することです。 早く成長して欲しいと願うばかりに、大量に水をあげてしまうと根が腐ってしまいます。

コツは3つあります。

  • ①受け皿に水が溜まっていたら捨てる(小型の植物限定)
  • ②温度の低い夜に水をやる
  • ③水をやるとき、常に土を手で触って乾燥の度合いを測る

①は、受け皿に溜まった水から出る湿気が、樹木に悪い影響を及ぼしますので、こまめに捨てるようにしましょう。

➁は、湿った状態の樹木に対する影響を最小限に抑えるための工夫で、温度の低い夜に水をやることで根が傷みにくくなります。これは、夏と冬では食べ物の腐りやすさが違うのと同じ原理です。

③は、水のあげすぎを防ぐ目的があります。

癒合剤を塗ったあとの樹木に対する肥料のやり方

肥料には液体肥料と固形肥料がありますが、今回はより手軽で便利な液体肥料を説明します。

まず、肥料の種類ですが、これは大別して有機肥料と無機肥料(化学肥料)の2つがあります。 この2つの特徴は、有機肥料は自然本来の栄養素で作られているため、効果が発揮されるのに時間がかかり、無機肥料は、必要な栄養素を必要なだけ混ぜ込めるため、即効性が高いという点が挙げられます。

それぞれの特徴を考えると、メインの肥料として即効性のない有機肥料を用いつつ、剪定後など特別なシーンにおいてのみ、即効性のある無機肥料を使うのが良い使い方です。 また、無機肥料を常用した場合は、樹木が栄養過多に陥ることが多いため、やはり特別なシーンでのみ使用するべきだといえます。

■まとめ

剪定後の切り口の手当法をご説明してきました。 今回の内容に限っては、深い知識を要求されることがないので、誰でも簡単に実行することができるでしょう。
剪定後の切り口を正しくケアして、楽しく植物を育てましょう。

剪定のお役立ち情報

  • 春までにやっておきたい!冬場に行う落葉樹の剪定

    庭という限られたスペースに植えた庭木は、野生状態とは違って、野放図にしていては育ちません。庭木を正常に生育させるためには、こまめな手入れが必要になります。落葉樹の場合、1年の起点となるのが冬場の剪定です。落葉樹は、落葉中の休眠状態となっている冬場に剪定することが、正常な生育には欠かせないセオリーとなっています。具体的には、11月~2月頃が落葉樹の休眠期となりますので、この期間に冬の剪定を行いましょう。

  • お手入れが少なくて済む庭木の人気種

    庭木を植えると庭が賑やかになるだけでなく、通りから家の中が丸見えにならないように目隠しの役割を果たしてくれたり、雨風から家を守ってくれたりと、さまざまなメリットがあります。とはいえ、庭木はお手入れが大変だと思っている人もいるのではないでしょうか。庭木のなかには、お手入れが少なくて済む種類もあるのです。この記事では、初心者でも育てやすく人気のある樹種について紹介します。

  • 庭の落ち葉は放置してはいけない?秋の庭の手入れ

    秋は落ち葉や枯れ葉が多くなるため、お庭の手入れをまめに行う必要があるタイミングです。しかし、自分でお庭の手入れをしようとすると時間も体力も必要です。とはいえ、たまった落ち葉を放置しておくわけにもいきません。この記事では、秋に行うお庭の手入れについて解説していきます。

  • 庭に関するご近所トラブルに要注意!ありがちなトラブルと回避方法について

    ご近所との良好な関係を維持するためにも、トラブルはできるだけ避けたいものです。しかし、トラブルを起こさないようにするには、どのような行為が迷惑にあたるのかを事前に知っておく必要があります。特に庭付きの家や、ガーデニングが好きな家庭には庭を巡るトラブルがつきものです。そこで、庭に関するよくあるトラブルや、トラブルを回避するための方法を紹介します。

  • 初心者必見!剪定はなぜ必要?どの枝を切ればいい?剪定の基本

    庭の樹木が伸びてきて、見た目が悪くなってしまったときに行うのが剪定です。剪定には必要な枝のみを残す技術と、適切なタイミングが求められます。事前に知識をつけず適当に枝を切ってしまうのは、「花が咲かない」「周辺の木々も枯れる」というトラブルが起こる原因です。この記事では、剪定の方法や切るべき枝の見分け方を紹介します。

剪定のお役立ち情報一覧を見る

JBR生活救急グループ お庭の生活救急車は。お庭のトラブル解決 No.1を目指しています

私たちお庭の生活救急車は、お客様に「頼んでよかった」と言って頂けるようなサービスの向上を目指しております。そのためにきちんとお客様のお話を伺い、ひとつひとつのトラブルをしっかり調べ、作業後のアドバイスもさせて頂いております。また接客技術にもこだわっており、講師を招いて接客サービスの徹底教育行い、親切かつ丁寧なサービス提供に努めています。これからもスタッフ一同、お客様を助けたいという思いをもとに対応してまいります。