美しい緑で覆われた天然の芝の広がる庭に憧れを持っている人もいることでしょう。しかし、芝は生育や手入れが大変そうというイメージから二の足を踏んでいる人も少なくありません。芝と一言でいっても、いろいろな種類があります。また、種類ごとに持つ特徴と手入れのコツをつかめば、一般の人でも芝のある生活を楽しむことは可能です。そこで、ここでは芝の主要な種類と種類ごとの手入れ方法について解説します。

そもそも、芝ってどんな植物?

芝

芝とはイネ科の多年草の総称です。芝が一面に生え広げられている場所を芝生といいます。芝は地面を覆うように細部まで密集して生えることから鑑賞用としてだけではなく、運動や休養の際のクッションとしての役割もあります。また、温度の上昇を抑制する用途などでも利用されている植物です。芝の種類は主に日本芝と西洋芝に分けることができます。日本芝とは、その名のとおり日本に昔から生息している芝の種類です。生育適温が23~25度くらいと高い傾向にあり、日本の高温多湿の気候に適応しています。暑い日差しへの耐性が高く、暑い季節でも枯れにくいといった特徴があるのです。

ただし、反対に寒さには弱く、気温が低くなると休眠状態に入ります。そのため、冬には葉の色が黄色や茶色へと変わってしまうのです。日本芝は日本の気候に合った種類であるため、基本的には日本であれば育てやすく、最低限のメンテナンスさえしっかりと行えば枯れることはあまりありません。ただし、国内であっても北海道は寒い季節が長い傾向があるため、育てることが難しい場合もあります。

一方、西洋芝は、ヨーロッパを原産としている種類です。寒さに強いことから、日本芝が育てにくいとされる北海道地方でも使われています。冬枯れすることがないため、年間を通してグリーンの景色を作りたいという場所には適した芝です。このことから、ゴルフ場やサッカー場などで多く利用されています。また、寒さに強い性質とは逆に熱さには弱いため、夏のメンテナンスに注意が必要です。管理を少しでも怠ると枯れてしまうため、注意が必要となります。

最もメジャーな日本芝!高麗芝の特徴と手入れの方法

日本芝のさまざまな品種の中でも最も広く使用されている種類が高麗芝(コウライシバ)です。東北以西に位置する本州から九州までの広範囲に分布しています。生育温度は30度と高く、暑さにも乾燥にも強いことから、土壌を選ぶことなく育てられるという点が魅力です。そして、芝生が育つとキメの細かな美しい芝生を作ります。ただし、寒さには弱いため、北海道などの寒冷地での生育は難しくなっているという点に注意が必要です。

また、土壌を選ばないだけではなく、病害虫にも強いことから生育経験が少ない人でも比較的育てやすくなっています。ただし、発芽率が低いため、初心者が種子から育てるには難易度が高い芝です。このため、「ソッド」と呼ばれる切り芝での流通が一般的となっています。切り芝とは茎や葉のほか、地下部の根なども含めた地面ごと土壌から切り出した状態のものをいいます。一般家庭が産地からそのまま切り出された切り芝のマットを使って芝張りするケースでは高麗芝が使われていることが一般的です。

さらに、耐性が高いのも高麗芝の特徴となっています。踏まれても丈夫に成長するため、スポーツ場や公園などにも適した品種となっているのです。 高麗芝は生長がゆっくりとしているため、手入れについての負担は比較的ありません。最も生育が著しくなる7~8月だけは週1回ほど刈込みをすることが必要となりますが、ほかは春と秋に月1回程度芝刈りをするだけで大丈夫です。最初に芝を張るタイミングとして適しているのは涼しい季節となる3~6月、または初秋の9月下旬ごろとなっています。

メジャーだけどガーデニングには不向き!野芝の特徴と手入れ方法

公園の芝

日本芝のうち高麗芝と並んでメジャーな品種とされているのが野芝(ノシバ)です。野芝は、北海道北部を除いた日本全国に分布していて、高麗芝よりも広い範囲で目にすることができます。野生種に近い性質を持った品種で自生率が高く、「地芝」や「砂芝」とも呼ばれている種類です。平野や海岸、さらにはアスファルトの間の割れ目のような生育環境が厳しい場所でも見られます。

ほかの芝と大きく異なる野芝の特徴が葉の硬さです。たとえば、高麗芝は葉が柔らかく細い形をしていますが、野芝は葉が4mm程度ほどあって太く、触ってもチクチクとした感触をしています。また、繁殖する方向が直線的で葉の節と節の間隔が粗くなりすいといった特性もあります。そのため、庭などに芝生として育て、鑑賞したり、その上で座ったりするなどして楽しみたいという場合には適さない品種です。

一方、葉が堅く頑丈な野芝は踏まれる圧力への耐性が高く、病害虫にも強いという性質があります。そのため、人に踏まれる機会が多い公園やゴルフ場などでは多く利用されている傾向です。また、生育環境に優れない痩せた土壌でも適応し、冬の休眠期でも丈夫に育つことから、緑化を目的に利用するケースもあります。 野芝を育てる場合、成長が遅いため、手入れはとても簡単です。成長期となる4~9月ごろに月2~3回程度の刈込みは必要ですが、耐寒性が高く育てる場所を選ばず、肥料もあまり必要としません。一般の人でも、切り芝だけではなく、種からでも育てることができます。

美しい芝生作りをしたい人におすすめ!姫高麗芝の特徴と手入れ方法

日本芝には、ほかにも姫高麗芝(ヒメコウライシバ)という品種もあります。姫高麗芝は高麗芝を品種改良したものです。そのため、耐陰性が高いことや北海道などの寒い地域での生育が難しい点など高麗芝の特性と似ている面をもった品種となっています。ただし、比較的育てやすい高麗芝と比べると、姫高麗芝は細やかなメンテナンスをする必要がある芝です。そのため、一般の家庭で育てるためには、それなりの知識と手間が必要となります。

メンテナンスが難しいとされている理由の1つが耐性の低さです。高麗芝と比べると踏みに弱い性質があります。また、定期的にしっかりとした刈込みが必要となる点もメンテナンスの難易度を高めている理由です。生育期には1週間に1回程度の刈込みをすることが求められます。なぜなら、刈込みを定期的に行わないと葉が太くなってしまい、姫高麗芝の特徴である細くて柔らかい葉ではなくなってしまうからです。さらに、病害虫や環境に対するストレス耐性についても高麗芝に比べると弱い傾向があります。

ただし、メンテナンスの難易度が高い分、生育に成功すると美しい芝生を作りだすことができるのが姫高麗芝の魅力です。高麗芝をはじめとしたほかの品種と比べると茎が繊細で葉の密度が非常に細かくなっています。このため、しっかりと管理することで観賞用に優れた美しい芝生ができあがるのです。見た目が美しい姫高麗芝は、ガーデニングなどを楽しむ庭や公園などでの利用にも適した品種となっています。

暑さに強い!バミューダグラスの特徴と手入れ方法

競技場

暖地型の芝草で耐暑性が高い特徴を持っている品種が「バミューダグラス」です。暑い気候だと伸びが良くなるため、世界的には暖地で多く利用されています。国内では関東以西の本州が生育エリアです。

西洋芝の一種で葉が柔らかく細い形をしているほか、ほかの西洋芝と比べると色が鮮やかな濃い緑をしていることが特徴となっています。また、日本芝と比べると休眠期間が短いという性質もあります。水やりはほとんど不要であるなど乾燥に強い反面、寒さや日陰に弱いため、寒い季節や地域での生育には不向きです。東京都内でも多摩地方などでは寒さが厳しくなることもあるため、凍害などを被ることもあります。

多くの場合、西洋芝は日本芝と比べるとデリケートで、頻繁な刈込みが必要となるなどメンテナンスの負担が大きい傾向がありますが、バミューダグラスも地上を這うように伸びる茎の生長がよく、伸びる速度が早いため手入れの手間はかかる芝です。このため、一般的には家庭で楽しむには不向きな種類となっています。

また、バミューダグラスは踏まれることに強いという点が特徴的です。この性質を活かしてスポーツ競技場などで利用されることが多くなっていて、国立競技場でも使用されています。また、バミューダグラスには改良品種があります。バミューダグラスよりもさらに葉が細く、踏みに強くて刈込みからの回復も早い「ティフトン419」です。ティフトン419はポット苗やロール芝、張芝などの方法によって植栽します。また、ほかにも、ティフトン419と同じ性質を持ちながらも種から育てることができる品種が「リビエラ」です。

冷涼地域での芝生として人気!ブルーグラスの特徴と手入れ方法

芝には暑さに強いタイプの「夏芝」と寒い地域に適した「冬芝」がありますが、冬芝タイプの西洋芝の中で最もポピュラーな品種が「ブルーグラス」です。世界で多く生育されていて、国内では北海道や東北北部の地域で多く栽培されています。

ブルーグラスは青みがかった葉の色と繊細で柔らかい葉の感触が特徴的です。また、耐寒性が高いだけではなく、生長が遅いといった性質もあります。成長の速度は緩やかではあるものの、生長初期にはしっかりと地下に茎を増やすため、踏みに強い芝です。これを活かして、ゴルフ場のフェアウェイやティーグランドなどでも多く利用されています。

さらに、耐寒性が高いだけではなく半日陰でも育つといった点もブルーグラスの特徴です。しかし、病虫害に弱いなどデリケートな面もあるため、薬剤散布などによる細やかなメンテナンスが必要となります。ほかにも、散水や刈込みなどの毎日の管理やお手入れも求められます。

ブルーグラスの中でも特にアメリカで広く栽培されているのが「ケンタッキーブルーグラス」です。日本では主に北海道や東北、高冷地などの冷涼な気候を有した地域で利用されています。密度の高い常緑多年草で美しさを保ちながら長く生存しますが、一方では、芝生を形成するまでにある程度の長さの時間を必要とするといった管理の難しさもあります。しかし、冬の季節でもダメージが少ないという強みがあり、ゴルフ場や公園のほか、一般の家庭の庭でも栽培されているのです。

■まとめ

芝まとめ

芝には種類によってそれぞれ特徴があります。そのため、栽培しようと考えている場所の気候や環境に合った種類のものを上手に選ぶことが大切です。品種のなかにはビギナーでも利用しやすい種類もあります。

ただし、初めてで不安がある場合には植え付けから生長が安定するまでの間や、芝刈りなど負担の大きな作業がある時期だけでも、庭の手入れの専門知識を持ったプロに依頼すると安心でしょう。

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