庭の手入れをするとき、もっとも厄介な存在になるのは、雑草だといっても過言ではありません。草刈りには、意外なほど労力がかかります。草刈りを少しでも楽に行うためには、雑草の分類について理解しておくことが大切です。雑草についてちょっとした知識があるだけで、草刈りを効率的に行うことができます。今回は、雑草の分類と効果的な草刈り方法についてわかりやすく説明します。

目次

種子で増える雑草

雑草

雑草の種類は、種子で増えるタイプと地下茎で増えるタイプの2つです。まず、種子で増えるタイプの雑草は、雑草にできた種子が雨や風、動物などを介して運ばれることによって繁殖します。このタイプに分類される雑草で代表的なのは、オヒシバ、メヒシバ、エノコログサ、カラスノエンドウ、ホトケノザ、タネツケバナなどです。いずれも、普段よく見かける雑草でしょう。

種子で増える雑草のなかには、発芽から数カ月で種子を作りはじめるものや、1株で数十万の種子を作ることができるものもあります。人間がどんなに気をつけていても、雑草の種子を庭などに入れないようにするのは困難です。

雑草は生育に適した環境が整えば、すぐに発芽して育ってしまいます。このタイプの雑草は、雑草の種子ができたあとの時期に、機械による草刈りを行うと、風圧で種子が飛び散ってしまう可能性が高いです。そうなると、一度雑草を除去しても、またすぐに新しい雑草が生えてきてしまいます。そのため、種子で増えるタイプの雑草は、手作業で地道な草刈りを行うのがもっともおすすめです。

雑草が多く、広範囲に渡っているときは、除草剤を利用するという手もあります。それぞれの雑草は、さまざまな性質をもっているため、それに合わせた除草剤を選ぶことが必要です。除草剤の選び方については、簡単なポイントをあとで説明します。

地下茎で増える雑草

地下茎で増えるタイプの雑草は、土のなかに埋もれている根に似た「茎」によって繁殖します。わかりやすい例をあげると、野菜のジャガイモも地下茎です。丸いかたちに変形した地下茎が、土のなかで繁殖しています。

地下茎で増えるタイプに分類される雑草で代表的なのは、スギナ、ヒルガオ、ヨモギ、ヤブカラシ、シロツメクサ、ドクダミなどです。このタイプの雑草は、繁殖能力が非常に高いといわれています。たとえば、土の上に出ている茎や葉が枯れてしまっても、地下に埋もれている茎の部分が生き残り、新たな茎や葉が再生するのです。なかには、セイタカアワダチソウという地下茎と種子の両方で繁殖することができるものも存在します。

地下茎で増えるタイプの雑草は少しでも地下茎が残っていると、またすぐに増えてしまうため、草刈りの仕方が難しい傾向です。きれいに取り除いたと思っていても、土のなかには地下茎が残っている可能性があります。特に土を耕した際、土のなかに残った地下茎を細かく刻んでしまうと、その分雑草が増殖するため厄介です。

地下茎は、手作業で取り除くだけではなかなか根絶やしにすることができません。そのため、地下茎で増える雑草については、除草剤を使うのが手っ取り早くておすすめです。先にある程度草刈りをし、雑草の大部分を取り除いたあとで使用すると、より雑草に浸透しやすくなって効果が高まります。

雑草のさまざまな分類

雑草には、繁殖方法以外にもさまざまな分類方法があります。それらについて理解しておくと、除草剤を選ぶときなどにとても役立つでしょう。まず覚えておきたいのが、「1年生雑草」と「多年生雑草」という分類です。1年生雑草は種子から発芽し、その後成長を続けて開花し、種子を作ると徐々に枯れて完全に死んでしまいます。

多年生雑草も種子から発芽するのは1年生雑草と同様です。1年生雑草との大きな違いは、成長していくと地上に出ている茎や葉の部分がいったん枯れて、その後再び芽が出て成長していくところになります。これは土の下の根が生きているためです。多年生雑草はこれを何回も繰り返します。

基本的に、多年生雑草は種子で繁殖しますが、なかには成長しながら地下茎を伸ばして繁殖していくものもあります。また、ほかに分類方法として覚えておきたいのが、植物の学問的な分類である「イネ科雑草」と「広葉雑草」という呼び分けです。イネ科雑草は植物分類上のイネ科に属している雑草で、葉が稲のように細長いかたちをしており、葉脈が平行なのが特徴です。一方、広葉雑草はイネ科以外に属している雑草で、葉が大きく、葉脈は網状になっています。

雑草は、その種類によって使用できる除草剤が異なるため注意が必要です。草刈りで除草剤を使用するときは、生えている雑草の種類をよく確認したうえで除草剤を選ばなければなりません。除草剤の種類を間違うと思ったような効果が得られなくなってしまうため、気をつけてください。

■まとめ

理解しよう
雑草をうまく除去するためには、雑草の特徴を理解することが必要不可欠です。一口で「雑草」といっても、雑草にはいろいろな種類があります。草刈りを少しでも楽にするためには、それぞれの雑草の特徴をよく理解し、それ以上広げないようにすることが大切です。雑草の分類に関する知識を利用して、効率よく草刈りを行いましょう。

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