庭を美しく、健康なまま維持しようと思ったなら「伐採作業」は必要になります。しかし、伐採は初心者だと難しい技術を要する場面が多く、作業に手間取りがちです。初心者が実作業に取り掛かる前には、しっかりと手順を調べて必要な準備をしておきましょう。この記事では、伐採作業の意味から詳しい方法、注意点などを解説していきます。

目次

伐採作業にはどんな目的がある?庭を長持ちさせるために

伐採

庭の木を細かく整える「剪定」に対し、「伐採」とは木を切り倒してしまう作業になります。伐採の対象になるのは主に、樹齢の長い大木です。伐採は骨が折れるたいへんな作業ですが、それでも庭や家を守るためには欠かせないといえるでしょう。伐採の目的はまず、「庭の景観を良くする」ことです。育ちすぎた木は、庭の景観を邪魔し、暗い印象を与えます。外側から見たときも、大木があると重々しく見えてしまいがちです。木を取り除いて、明るい雰囲気に庭を変えるのが伐採の大きな意義です。

また、大木が庭にもたらす「ダメージ」を予防することも大切な目的でしょう。大木は庭の養分を独占し、他の草花の成長を妨げます。また、大木が住処になり、虫が大量発生する危険性も見逃せません。大木を伐採すると、庭も人も快適に過ごせるようになるでしょう。それに、地震などの影響で大木が倒れてくるなどのリスクも軽減できます。

そして、大木による「ご近所トラブル」についても避けられるでしょう。庭に大きな木があると、近所からクレームを受ける可能性が出てきます。特に、枝が入ってきたり、日陰になったりする隣家は多くの場面で迷惑を被ります。近隣の住宅も「大木に住み着いた虫が入ってくる」「木の臭いが気になる」などの被害を受けることは珍しくありません。大木が伸びすぎて電線にかかるとなれば、たくさんの住民の生活に影響をおよぼします。近所の人間関係に支障が出る前に、しっかりとした手順で伐採を行うのがおすすめです。

伐採はどうやって行う?まずは作業に入る前の下調べを

初心者であっても、場合によっては伐採を行うことは可能です。伐採を行うと決めたら、まずは「作業日」を決めます。伐採はひとりで行うには危険が多い作業です。手伝ってくれる人は多ければ多いほど心強いため、知人や親族に声をかけ、伐採に参加してくれるよう頼みましょう。

そして、伐採日に合わせて道具を調達します。かつては斧などの道具で伐採していましたが、今ではチェーンソーを使うのが一般的です。斧は体力的につらいうえ、扱いなれていない人には制御が難しいので初心者は避けるのが無難です。チェーンソーはレンタルサービスで手に入れることもできます。そのほか、伐採した木を運ぶトラック、作業中に使用するロープなど、新たに調達しなければいけない道具は盛りだくさんです。

伐採の前に行う「計画」は、作業の成否を左右します。もっとも重要なのは「木を倒す方向」です。木には重心の偏りがあり、基本的には重心がかかっている方向へ倒すようにします。たとえば、北に向かって重心が傾いているなら、木の南側から切っていくと木の重みで途中から自然に倒れてくれます。ただし、地盤なども影響するので、一概に「重心だけで方向を決めていい」とは言い切れません。慎重にシミュレーションを行ってから、作業に入りましょう。また、木が倒れたときの予測も重要です。木が家屋や、隣家に倒れてくるのは最悪の事態です。また、庭の他の草花にも影響がないか、何度も確認してから伐採を行いましょう。

作業開始!伐採をスムーズに行うためには

チェーンソー

伐採は、まず「枝の排除」から行います。枝が残っていると木の重心が揺らぐうえ、倒れたときに折れて、飛び散る危険があります。枝については、伐採当日までに刈っておくと、当日には速やかに伐採へと入れるでしょう。そして、伐採のための「しるし」をつけます。根元よりもやや上のあたりにチェーンソーを入れるのが伐採の基本です。しるしはチェーンソーの角度を確かめるためにも書かせないものなので、チョークなどを使って必ず入れておきましょう。

大木の規模によっては、倒れてくる衝撃をやわらげるために、ロープを使うこともあります。あらかじめロープで大木を支えておき、倒れるスピードを調整します。ただし、ロープには十分な耐性が必要なので、入手する際にはよく確かめましょう。伐採直前になると、庭の障害物をどかし、見張りを立てます。障害物をどかすのは、木があらぬ方向に倒れてきてもすぐに逃げられるようにするためです。また、見張りは木が倒れてくる方向に立てるのが原則です。作業が始まったら、通りがかる人を止めるなどして、安全を確保します。

十分に周りの安全を確かめたら、いよいよ伐採開始です。伐採中は周囲とのコミュニケーションが重要です。チェーンソーを扱う人は淡々と作業するのではなく、声がけを行いながら切れ込みを入れていきましょう。常に切れ込みの状況を説明しながら、周囲に心の準備をしてもらいます。ロープを使う際には、ロープ係との連携も問われます。木が問題なく倒れても作業は終わりではありません。木を解体し、捨てに行ったり材木に変えたりしてようやく伐採は完了します。

課題は山積み?伐採作業で困りがちなポイントは

伐採作業では、クリアすべき課題もたくさんあります。まずは、「チェーンソーを扱える人」を探すことです。大木を伐採する際、チェーンソーがなければ作業はスムーズに行えません。ところが、チェーンソーを使うには研修を受けないと取得できない資格があるのです。そのため、日常的にチェーンソーを使う環境にない人は、誰かに伐採をお願いしなければいけません。自分で資格を取得する選択肢もありますが、非常に手間がかかると覚悟したほうが良いでしょう。

次に、「人手をどうやって集めるか」です。伐採作業では「チェーンソー係」「見張り」「倒れた木を運ぶ係」「それぞれの補助」などのさまざまな役割が出てきます。木が大きくなれば大きくなるほど、集める人では多いにこしたことがありません。しかし、重労働である伐採作業を引き受けたがらない人もいます。また、それだけの人数を集めていると日程が調整しづらくなり、作業日が先送りになっていくメリットも考えられます。

そのほか、伐採作業が近所迷惑になる可能性も課題です。伐採にはチェーンソーの騒音をともないます。家事や勉強、自宅での仕事を邪魔される人は少なくありません。それに、伐採作業によって巻き起こるホコリも対策が必要です。事前に何の報告もないまま伐採を行うと、近所から悪い印象を持たれてしまいます。回覧板をまわしたり、直接自分で断りを入れにいったりして、近所のケアは怠らないようにしましょう。日時も正確に伝えておくのがより賢明です。

初心者は特に気をつけよう!伐採作業の注意点

注意点

伐採作業でもっとも注意すべき点は、「安全」です。とにかく、参加した全員が無傷のまま作業を終えるのが最優先項目になります。そのためには、まず当日の服装から気を引き締めましょう。半袖、半ズボンなどのラフな格好は伐採に不向きです。枝やホコリが飛び散っても肌を守れるように長袖、長ズボンで挑みましょう。また、伐採では、木が自分の方向に倒れてくる万が一の事態にも備えなければいけません。動きやすい服装で、すぐに駆け出せるようにしておきましょう。

「かかり木」も懸念すべき点です。かかり木とは、木がうまく倒れてくれずに家屋や他の気に「かかって」しまった状態になります。かかり木にならないよう、慎重に作業を行うのが一番です。それでも、かかり木が起こってしまったら、焦って木を切り倒さないように努めましょう。かかり木のまま無理やり伐採すると、家屋などへのダメージが大きくなりがちです。かかり木になった時点で、伐採のプランを立て直し、くさびを打ち込むなどして倒す方向を決定づけましょう。

そして、伐採では「もしも」のときにも備えなくてはいけません。木が電線にかかってしまったり、隣家に危害をおよぼしたりする可能性はゼロではないのです。本当に、これらのリスクが現実になったときは、素直に謝罪をします。そして、迅速に対応しましょう。しかし、危害の規模によっては初心者の手に終えるものではありません。伐採の代行業者に連絡するなどして、速やかに事態を回収してもらうのが得策です。

慣れていない人は伐採の代行業者に依頼しよう

伐採には数々のリスクがつきまといます。リスクをなるべく避けるには、最初から伐採の代行業者に依頼するのが無難でしょう。代行業者のメリットは、まず「作業の正確性が高い」ことです。豊富な経験値と確かなスキルに裏打ちされた代行業者は、伐採におけるミスがほとんどありません。下調べから安全確保、伐採にいたるまでスムーズにこなしてくれます。初心者が自力で行うより、速やかに終わるのもメリットのひとつでしょう。

それに、代行業者は「いつでもどこでも」駆けつけてくれます。自力で伐採を行う場合、人手を集めるだけでも一苦労です。しかし、代行業者なら十分なスタッフを用意したうえで、依頼主の都合に合わせて駆けつけてくれます。たとえば、依頼主が自宅でゆっくりしている間に作業を終わらせてくれるなど、伐採に関わる時間が短縮できるので毎日の負担が減るでしょう。

伐採の「後処理」が解決するのも、代行業者を頼りたい理由です。伐採では往々にして、作業後の庭が荒れがちです。せっかく景観を良くしたくて伐採を決意したのに、より見た目が悪くなってしまったようなケースも珍しくありません。しかし、代行業者なら伐採後のことも考えて作業を進めてくれます。伐採のダメージは最小限にとどめて、きれいな庭を守ってくれるでしょう。なお、切り倒した木の処理についても引き受けてくれる業者があります。付け焼刃の知識で伐採を行うより、プロフェッショナルに任せた方が伐採は成功しやすいでしょう。

■まとめ

伐採まとめ

家の大木が老朽化してくると、さまざまな問題が起こります。しかし、初心者が自力で伐採すると事態を悪化させかねません。

そこで、代行業者に依頼するのがおすすめです。代行業者は伐採のノウハウもリスクも知り尽くしています。安全に伐採を終わらせるためには、無理をせずにその道の専門家に任せるのが賢明な策だといえます。

伐採のお役立ち情報

  • 木を伐採した後に残ったなかなか抜けない根っこの対処方法

    庭の植木が古くなってきたり土の状態が悪くなってくると、植木が病気になったり、倒れてきたりすることがあります。薬剤を投与したり、起こしたりすることは可能ですが、回復の見込みがないほど老朽化した木は伐採してしまうのも一つの方法です。ですが、何とか根本で伐採することができたとしても、根っこを掘り出すのはかなり大変な作業になります。根っこを残したままでも大丈夫なのか、また、掘り出す場合はどういった対処法があるのかを解説していきます。

  • 敷地からはみ出した木はどの程度許される?処罰の危険は

    庭木の枝が敷地からはみ出してしまうというのは、よくあることです。小枝の先がわずかに出ているなら問題ないかもしれませんが、高さや程度によって異なります。「どれくらいまでなら許容範囲内なのか」「はみ出した場合の罰則はあるのか」などわからない点も多いでしょう。今回は、庭木のはみ出しで起こりがちなトラブルと罰則についてご紹介いたします。

  • 失敗しないための伐採業者選びのポイント

    庭木が古くなったり、庭の景観を変えたくなったりして伐採をするなら業者に依頼するのがおすすめです。しかし、伐採を請け負っている業者の数は多く、どこに頼めばいいか分からない人も多いでしょう。技術のない業者に伐採を任せると後悔してしまうかもしれません。この記事では、伐採ができる業者の選び方について解説していきます。

  • 庭木・立木の伐採業者選びのコツ

    庭木・立木の伐採業者は、何を基準に選べばいいのでしょうか。伐採技術が優れていることはもちろんですが、その他に必要な選定基準はどのようなものかを見ていきます。

  • 立木の伐採時に意識したい安全対策や注意事項

    立木の伐採は、庭の手入れのために大切な作業です。しかし、立木の伐採には危険が伴います。庭木の伐採ではそれほど留意する必要はありませんが、雑木林の伐採などを含む庭木の伐採には、山林の伐採に準じた作業手順を守る必要があります。
    ここでは庭木を中心に、立木を伐採する上で注意しなければならない点を見ていきます。

伐採のお役立ち情報一覧を見る

JBR生活救急グループ お庭の生活救急車は。お庭のトラブル解決 No.1を目指しています

私たちお庭の生活救急車は、お客様に「頼んでよかった」と言って頂けるようなサービスの向上を目指しております。そのためにきちんとお客様のお話を伺い、ひとつひとつのトラブルをしっかり調べ、作業後のアドバイスもさせて頂いております。また接客技術にもこだわっており、講師を招いて接客サービスの徹底教育行い、親切かつ丁寧なサービス提供に努めています。これからもスタッフ一同、お客様を助けたいという思いをもとに対応してまいります。